滋賀の家づくり|家も「残クレ」で買う時代?4つのリスクを解説します
巷で噂の「残クレ」、実は住宅ローンにもあるんです
最近、巷でピカピカの高級車に乗っている若い子たちを見かけることが増えたな、みんなすごいな、と思って話を聞いてみると、「いわゆる『残クレ(残価設定型クレジット)』を使って買っているんです」という声を耳にすることがあります。
実は、これと全く同じような仕組みが、いま住宅を購入するときの資金調達にも登場しています。それが「残価設定型住宅ローン」です。
こんにちは。滋賀県栗東市六地蔵で「いえのたね」を運営するベストハウスネクストの吉本です。
先日、このローンについてお客様から「これってどうなんですか?」と質問を受けました。私自身、以前からこの仕組みには注目していたのですが、メリットばかりが強調されて、裏にあるリスクがあまり語られていません。
今回は、家を建てる方にとっても重要になる、このローンの「損得勘定の真実」をお話しします。
残価設定型住宅ローンって、どんな仕組み?
端的に言うと、「数十年後の家の価値(残価)をあらかじめ決めておき、総額からその分を差し引いて、残った金額だけを分割で返していく仕組み」です。
例えば、5,000万円の家を建てるとします。
「20年後のこの家の価値は2,000万円です」と最初に見積もって(残価設定)、その2,000万円を引いた差額の3,000万円分だけを毎月分割で返済していく、というイメージです。
なぜ、このローンを選ぶ人がいるのか?
大きく分けて2つの理由があります。
- 月々の支払いが劇的に安くなるから 普通なら5,000万円分を丸ごと借りて返さないといけないところが、実質3,000万円分の返済で済むため、月々の負担が驚くほど軽くなります。「これならうちの予算でも買える!」と手が届きやすく感じるわけです。
- 将来の「空き家問題」から解放されるから 「自分たちが住み終わったあと、この家はどうなるんだろう」という不安に対し、将来、銀行やメーカーが引き取ってくれる約束(出口)が最初から見えているため、気が楽だという側面もあります。
- 一人暮らしで資産を残すことは考えてないから 「自分一人なので好きなデザインやガレージハウスなどに住みたい!」という方には支払いを抑えながらこだわった家づくりが可能となります。
これだけ聞くと、まるで夢のような引き算の方法に見えますよね。しかし、世の中そんなに虫のいい話はありません。都合のいい仕組みの裏には、必ず強烈なリスクが潜んでいます。
3. プロが警告する、残価設定型ローンの「4つの重いリスク」
物価高の今の時代だからこそ、目先の安さではなく30年先までのトータルコストを冷徹に計算する必要があります。このローンには、見落としてはならない4つの罠があります。
① 金利は「残価」も含めた総額にかかる
返済計画は残価を除いた金額(先ほどの例なら3,000万円)で組まれますが、毎月の金利そのものは、残価も含めた「総額(5,000万円)」に対して計算されるケースがほとんどです。つまり、「月々の元金返済は少なく見えても、利息の総支払額で計算すると、普通のローンより高くつく」ということが起こり得ます。
② 大手ハウスメーカーの「囲い込み(クローズド工法)」の罠
金融機関やハウスメーカーが、何でもかんでも将来高く買い取ってくれるわけがありません。その残価(価値)を保つために、非常に厳しい維持管理の条件(メンテナンス義務)が課されます。
指定された会社の定期点検を必ず受け、そこが「ここが悪いので直してください」と言ったら、指定された金額で修繕しなければ約束違反になってしまいます。
ここで大問題になるのが、大手ハウスメーカーに多い「独自の特殊工法(クローズド工法)」です。そのメーカー専用の建材や技術でしか直せないため、他社で相見積もりを取って安く抑えるという自衛策が使えません。「高いな」と思っても、そのメーカーの言い値で高い修繕費を払い続けなければならない、つまり「一生メーカーに囲い込まれるコスト」までセットで買わされているのです。
③ 勝手なDIYやリフォームは原則禁止
以前のブログで「つくり込まない家の豊かさ。住みながら、椅子を一脚足したり、棚を付けたりして自分たちの場所に育てていく余白が楽しい」というお話をしました。 しかし、残価設定型ローンでは、将来の査定価値をキープしなければならないため、勝手なDIYやリフォームは基本的に禁止、または事前承認が必要になります。家を自分色に育てる愉しみが、仕組みによって制限されてしまうのです。
④ 滋賀の郊外では「土地の下落リスク」を背負う
一番怖いのは建てる場所です。草津や守山、栗東の駅前周辺なら将来も土地価格が下がりにくいかもしれませんが、郊外の空き家が増えていくようなエリアだと、数十年後に土地の価格そのものが大きく下落している可能性があります。その損が出た場合の差額を、最終的にユーザー側が負担しなければならないスキームもあるため、エリア選びには細心の注意が必要です。
20年後、30年後にやってくる「3つの出口戦略」
このローンを利用する場合、期間が満了したときの自分の年齢と、取れる選択肢(出口)をあらかじめ頭に叩き込んでおく必要があります。
- 返却: 家を引き受先に返して、残価とローン残高を相殺して終了する。ただし、手元には何も残りません。
- 買取: 「いい家だからこのまま住み続けたい」となった場合。残価分を一括で支払うか、その時の年齢(高齢になっている可能性が高いです)で新たに再ローンを組んで住み続けることになります。
- 住み替え: 家を売って精算し、駅前の小さなマンションなどに移る。
一見、身軽で機動的に見えますが、総支払利息や強制されるメンテナンスコストまで考えると、「家を建てて資産を持つというより、超長期の特特賃貸住宅に住んでいる」というイメージに非常に近いです。
まとめ:あなたにとって、家は「消費」ですか「資産」ですか?
では、残価設定型住宅ローンは絶対にダメなのかというと、そんなことはありません。向いている人と、向いていない人が綺麗に分かれます。
- 向いている人: 「家は資産ではなく、スマホのように時代に合わせて買い替える消費だ」と割り切れる人。または、子育て期の20年間だけ自然豊かな場所で暮らし、子どもが独立したら即座に都市部へ移住する、というライフプランが100%確定している人。
- 向いていない人: 「この家を終の住処にして、ローン完済後は住居費を極力抑えておおらかに暮らしたい」と願う人。自分でDIYをして暮らしを愉しみたい人。そして、我が家を確かな資産として子どもや孫に残したい人。
私たちのスタンスは明確です。 家は見栄を張るための消費財ではなく、家族の命を守り、何十年もかけて愛着を育てていく「暮らしの器」です。
だからこそ、私たちは特定のメーカーに囲い込まれない「在来木造(オープン工法)」にこだわり、将来の価値をいつでも第三者に証明できる「カルテ(修繕履歴)」を残す家づくりをしています。
- 「いま検討しているこのローン、我が家の人生設計に本当に合っている?」
- 「ハウスメーカーの見積もりと、35年ローンの総額を冷静に比較してほしい」
そんなモヤモヤをお持ちの方は、ぜひ一度、栗東市六地蔵の「いえのたね」へお越しくださいね。


