滋賀で建てる注文住宅|夫が「家事をしない」のはお家の仕組みのせいです 

数年前に黒川伊保子さんの著書『妻のトリセツ』という本がベストセラーになり、今でも夫婦関係のバイブルとしてよく話題にのぼります。

脳科学の見地から「女性脳」と「男性脳」の仕組みの違いを解き明かした本なのですが、実はこれ、私たちつくり手の目から見ると、「お家の設計や住み方」にもの凄く直結している話だったりします。

家づくりの打合せをしていると、奥様が「主人は家事を何もしてくれない。言われないと本当に気づかないんです」とため息をつき、ご主人が「いやいや、俺だってゴミ出しとか、言われたことはちゃんとやってるよ!」と少し不満げに反論する。

そんな、微笑ましくもリアルなすれ違いの光景を、目にしてきましたし私もその一人だったりします(笑)

こんにちは。滋賀県栗東市六地蔵で「いえのたね」を運営するベストハウスネクストの吉本です。

今回は、この『妻のトリセツ』の視点をヒントに、なぜご主人は「何もしない(ように見える)」のか、そして日々の暮らしのイライラを精神論ではなく「お家のシステム(間取り)」でスマートに解決する方法について考えてみます。

1. なぜ夫の「ゴミ出し」は、妻をイライラさせるのか?

『妻のトリセツ』によると、女性脳は常に周囲の様子に気を配る「マルチタスク・ケア脳」であり、プロセス(過程)をとても大切にします。一方で、男性脳は目の前の目的を最短で達成しようとする「シングルタスク・解決脳」です。

この違いが、毎日の家事、例えば「ゴミ出し」の場面で決定的なすれ違いを生みます。

  • ご主人の思う「ゴミ出し」: 玄関先に置いてある、まとまったゴミ袋を集積所まで持っていく(ゴール達成!)。
  • 奥様のやっている「ゴミ出し」: 家中のゴミ箱からゴミを集め、袋を縛り、ゴミ箱の汚れをサッと拭き、新しいゴミ袋を綺麗にセットして、次のゴミ収集日をカレンダーで確認する。

ご主人が「ゴミ出しをやった!」と胸を張っている裏側には、奥様が当たり前のように処理している膨大な「名もなき家事(プロセス)」が隠れています。このプロセスが、シングルタスクの男性脳には「見えていない」のです。

だからこそ、奥様は「なんで袋をセットするところまでやってくれないの?」「本当に何もしないんだから」とストレスを抱え、ご主人は「せっかくやったのに、なんで怒られるんだ」とヘソを曲げてしまう。

これをお互いの性格のせいにしてぶつかり合うのは、エネルギーの無駄遣いです。私たちはつくり手として、このすれ違いを「間取りと動線」でなんとからないかなっと思っていたりします。

2. 「名もなき家事」そのものを、間取りで引き算する

ご主人を叱って動かそうとするよりも、「誰がやっても迷わず、自然と体が動く仕組み(システム)」をお家の中に作ってしまえばいい。

先ほどのゴミ出しの例で言えば、解決策はシンプルです。

作戦:家中のゴミ箱を「引き算」する

多くのご家庭では、リビング、和室、寝室、子ども部屋……と、あちこちに小さなゴミ箱を置いています。これが「ゴミを集めて回る」という奥様の手間(名もなき家事)を増やしています。

そこで、お家の中のゴミ箱を「キッチンの大きなゴミ箱1箇所だけ」に絞り込む(引き算する)ルールにします。 子どもたちもご主人も、ゴミが出たら自分でキッチンのゴミ箱まで捨てに行く。これだけで、ゴミを集めて回るプロセスがなくなります。

キッチンから勝手口、または玄関までのゴミ出し動線を短く設計しておけば、ご主人も「ただ持って出るだけ」の動作がさらに楽になります。

3. 「洗濯」のストレスも、動線の工夫でゼロにする

もう一つ、夫婦の間でトラブルになりやすいのが「洗濯物の片付け」です。

  • 「取り込んだ洗濯物が、いつまでもリビングのソファの上に山積みになっている」
  • 「旦那が自分のクローゼットに服をしまってくれない」

これも、洗う・干す・取り込む・畳む・それぞれの部屋へ持っていって仕舞う……というプロセスが多すぎる(動線が長すぎる)ことが原因です。

この家事負担を減らすために、私たちがよくご提案するのが、前のブログでもご紹介した「ランドリールーム(室内干し) + ファミリークローゼット」の最短動線です。

乾いた服をその場でハンガーのまま、横にスライドしてクローゼットに掛けるだけ。 「畳む」「それぞれの部屋へ運ぶ」という面倒なプロセスを間取りで丸ごと引き算してしまいます。

片付ける場所が1箇所に決まっていて、動作も「掛けるだけ」とシンプルであれば、ご主人や子どもたちも、自分の服を自然と自分で片付けられるようになります。「言われないと動かない」のではなく、「誰でも簡単に動けるシステム」がそこにあるかどうかなのです。

4. まとめ:家族みんなが、肩の力を抜いて笑顔でいられるように

『妻のトリセツ』の根底にあるのは、「相手を自分の思い通りに変えようとするのではなく、お互いの違いを理解して、思いやりを持って接しよう」という温かい視点です。

家づくりも全く同じです。 どんなにお洒落で最新の設備をたくさん足し算しても、日々の細かい家事動線がガタガタで、毎日誰かがイライラして暮らしているようでは、本末転倒ですよね。

目に見えるデザインや数字は、実務者として私たちが裏側で計算します。 その上で、住んでからの毎日の「名もなき家事」をいかにスマートに削ぎ落とし、家族みんなが心穏やかに、笑顔でいられる余白をつくれるか。これこそが、私たちが一番大切にしている住まいのデザインです。

  • 「うちの家族の暮らし方なら、どんな収納や動線が一番ラクになる?」
  • 「今の間取り、住んでから家事のストレスが溜まらないか、チェックしてほしい」

そんなモヤモヤをお持ちの方は、ぜひ一度、栗東市六地蔵の「いえのたね」へお越しください。 30年の経験から、あなたの毎日の暮らしがフッと軽くなるような、アドバイスをさせていただきます。