家づくりの落とし穴|30年の経験から語る「将来お荷物になる設備と間取り」の仕分け方
住宅業界に身を置いて30年以上が経ちますが、現場でたくさんのお客様の家づくりをお手伝いしてきた中で、つくづく実感していることがあります。それは、家づくりで本当に大切なのは「何を付け足すか」ではなく、「将来のお荷物になるものを、いかに最初から省いておけるか」ということです。
先日、同業者と話をしていて
- 「家の設備機器や間取り、外観のデザイン、色などなど流行りスタリがあるよなぁ」
- 「大体その家を見ると年代がわかりますよねー」
なんて話していました。
そこで「2026年現代では採用を避けるべき、消えゆく設備・間取り10選」を考えてみましたのでよかったらご覧あれ。
家づくりの流行のサイクルは本当に早いです。建てた瞬間は「最新でお洒落」に見えても、数年後に使い勝手の悪さに悩まされたり、高いメンテナンスコストに後悔したりするケースは少なくありません。
私のこれまでの経験も踏まえたリアルな視点を交えて、これからの時代に「選ぶべきではない設備と間取り」を仕分けしてお話しします。
【設備編】付け足した結果、後悔しやすいもの
・浴室の過剰な設備(テレビ、ミストサウナ、ジェットバス)
ひと昔前は憧れの象徴でしたが、これらは非常に故障しやすい設備です。いざ壊れたときの修理代や交換費用が驚くほど高い上に、現代はスマホやタブレットを持ち込めば事足りる時代になりました。「本当に10年後、20年後も使い続けるか?」を冷静に考える必要があります。
・高さが低いタイプの食器洗い乾燥機
システムキッチンに標準で付いてくることが多い型ですが、実際にお皿洗いを始めると、フライパンや大皿、家族全員分の食器が一度に入りきりません。結局、入り切らない分を手洗いすることになり、二度手間になります。今選ぶなら、一回でガサッと洗える海外製のような大容量のフロントオープン型が圧倒的に主流です。
・2階に設置するタンクレストイレ
すっきりして格好いいタンクレストイレですが、2階に設置する場合は「水圧」のチェックが欠かせません。水圧が足りずに流れにくくなったり、万が一の災害や停電のときに水が流せなくて困ったりすることがあります。あえて2階はトラブルの少ないタンク式を選ぶのが、長い目で見ると賢い選択です。
・浴室やトイレの「窓」
「窓はあって当たり前」と思われがちですが、浴室やトイレの窓は、冬場の恐ろしい寒さ(ヒートショックのリスク)の最大の原因になります。さらに、防犯上の弱点になりやすく、お掃除の手間も増えるのです。今の換気扇は非常に優秀ですので、あえて窓を無くして壁の断熱をしっかり施すほうが、お家全体の快適性は劇的に上がります。
・売電だけを目的とした太陽光パネル
かつてのように「売電収入で儲ける」という時代は終わりました。買取価格が下がった現代において太陽光パネルを載せるなら、売るためではなく、電気代の高騰に対抗するために「つくった電気を我が家で使う(自家消費)」、あるいは蓄電池と組み合わせて災害に備える、という目的へ完全にシフトしています。
【間取り編】ガチガチに作り込んで失敗するもの
・畳ダイニングの掘りごたつ
居酒屋のようで魅力的に見えますが、一度作ってしまうとテーブルの配置換えが一切できなくなります。さらに、足元の深い穴はホコリやゴミが溜まりやすく、掃除機をかけるのも一苦労です。
・タラップ式(はしご)のロフト
急なはしごを登り降りして使うロフトは、年齢を重ねるごとに使うのが億劫になります。重い荷物を持って上がるのも危険なため、数年経つと「荷物を入れたまま二度と開けない、開かずの物置」になってしまうケースが後を絶ちません。ただし 松尾式の全館空調等では使っていますが それも計画をしっかりすることが大切です。
・寝室直結のウォークインクローゼット
一見便利そうですが、共働きで夫婦の出勤時間が違うご家庭の場合、どちらかが寝ている横でパタパタと着替えの準備をすることになり、パートナーの睡眠を妨げてしまいます。今は、寝室から切り離した、家族みんなが使いやすい動線上の「ファミリークローゼット」のほうが家事効率もよかったりしますので収納場所もよく検討してくださいね。
・洗面室と脱衣室が一体の空間
誰かをお家に招いたとき、あるいは子どもが大きくなったとき、誰かがお風呂に入っていると洗面台が使えない、洗濯物が丸見えで気を使う、というストレスが生まれます。脱衣室と、歯磨きや手洗いをする洗面台は、最初から扉で仕切るか、洗面台を廊下に出す「セパレート」にするのが今の暮らしにフィットします。ただそんなに余裕がない20坪強の間取りではまた考え方を変えたりしていますね。
・スリット窓(細長い窓)の多用
外観のデザインのアクセントとして、細い窓を何本も並べる設計が一時期流行りました。しかし、窓の数を増やすということは、それだけ建築コストが上がり、お家の断熱性能を下げる原因になります。現在は、窓の数を必要最小限に絞り込み、建物そのもののシンプルな形(総二階の四角い箱など)で美しさを表現する設計が王道です。
30年先もメンテナンスに困らない、本物の家を
こうして振り返ってみると、時代遅れになっていくものに共通しているのは、「目先の流行りで余計なものを足し算してしまっている」という点です。
機械ものや複雑な間取りは、いつか必ず寿命が来たり、ライフステージの変化についていけなくなったりします。
だからこそ、私たちがご提案する家づくりや規格住宅や注文住宅 自由設計でも、最初からこうした「将来のお荷物」を徹底的に引き算しています。無駄な設備や窓の面積を削ぎ落とすからこそ、コストを抑えつつ、家族の命を守る「最高の断熱性能」や「耐震等級3」という、本当に大切な土台にしっかりと予算を回すことができるわけです。
「今考えている間取り、10年後も本当に使いやすいかな?」 「ハウスメーカーの見積もりに、いらない設備が入っていないかチェックしてほしい」
そんな疑問や不安をお持ちの方は、ぜひ一度、栗東市六地蔵の「いえのたね」へお越しください。30年の経験から、あなたの暮らしに本当に必要なものだけを一緒に考えていきます。

