家は住みながら育てるもの。滋賀の注文住宅 「おおらかな家づくり」

家づくり、少し「難しく」なりすぎていませんか?

  • 「性能は?」
  • 「耐震は?」
  • 「空調は?」
  • 「素材は?」
  • 「予算は?」

家づくりを考え始めると、次から次へと大切なキーワードが押し寄せてきます。どれも本当に大事な話です。

でも、最近よく感じるのです。家づくりが、少しだけ難しくなりすぎているのではないかと。

こんにちは。滋賀県栗東市六地蔵で「いえのたね」を運営するベストハウスネクストの吉本です。

すべての項目を最初から100点満点、完璧な正解にしようとしすぎると、出来上がった家がどこか窮屈になってしまうことがあります。私は、これからの時代に必要なのは、あえて全部を決め込まない「つくり込まない家づくり」が理想だと考えています。

これは、決して手を抜くという意味ではありません。むしろ、その逆です。

完璧に仕切られた収納が、数年後の家族を苦しめる理由

例えば、キッチンの収納やクローゼットの設計。

  • 「この棚にはこれを置く」
  • 「ここは〇〇センチで細かく仕切る」

完成した瞬間は、確かにとても便利です。

ただ、あまりにも最初から細かく決めすぎると、数年後に暮らし方が変わったときに、途端に使いにくくなることがあります。

  • 子どもの成長(ランドセルから大きな部活のバッグへ)
  • 働き方の変化(在宅ワークの開始など)
  • 趣味や持ち物の変化

家族の暮らしは生き物のように変わります。なのに家だけが、最初に決めた「正解」の形に縛られているとしたら、それは少し苦しいことです。

どこかに「不便さ」や「曖昧さ」を残しておかないと、将来の暮らしの変化を受け止めるゆとり(可変性)がなくなってしまうのです。

断熱・耐震は「理系(数字)」、これからの暮らしは「文系(感覚)」

私自身、頭の中は「文系大半:理系チョビット」の人間です。

もちろん、仕事をする上で、知識をしっかり付け、理系要素を脳みそを膨らませてプランしています。何度か打合せしている皆さんはなんとなくわかっていただいているかと思いますが(笑)・・・・

そこで大切にしていること そしてこれからもしていきたいこと。。。

「おおらかな気持ちで家づくりを愉しめること」

私がベンチマークしている伊礼さんや迫さんの、オーナー様との付き合い方や設計に対する姿勢を、私は自分の主軸としています。

  • 「掃除はしたくないけれど、床は無垢材がいい」
  • 「便利な生活を望むけれど、絶対に壊れない機械がいい」
  • 「空調にはこだわりたいけれど、コストはかけたくない」

……正直に言います。それは無理です。 すんません。。。

家づくりは数字やスペックの足し算だけではありません。大切なのは、その家で「どう感じるか」「どう過ごしたくなるか」。その余白をどれだけ残せるかです。

もちろん、断熱や耐震は感覚だけではダメです。そこは徹底的に数字で確認し、計算し根拠を持ちます。 でも、その先にある実際の暮らしは数字だけでは決まりません。

  • 「朝、どこに座ってコーヒーを飲むか」
  • 「夕方、どこの窓際で本を読むか」
  • 「人が来た時に、どこにふと腰掛けるのか」

そういう心地よい時間は、最初から計算された場所ではなく、少し曖昧な「余白」の中から生まれるものなのです。

「余白」と「手抜き」は違う。つくり込まないために、つくり込む

  • 造作家具を入れすぎる
  • 壁を飾りすぎる
  • 照明を見せすぎる
  • 収納を細分化しすぎる
  • 機械もので便利にしすぎる

これらは、住宅展示場のモデルハウスのように最初から全部が完璧に飾られているので、一見すると分かりやすく憧れます。でも、長く住むと少し重たくなる(飽きてしまう)こともあるのです。家は完成した瞬間がピークではありません。住みながら、住む人が少しずつ自分の場所にして、育てていくものです。

椅子を一脚足してみる。観葉植物を置いてみる。季節ごとにラグを変えてみる。棚の上に好きな旅の思い出を飾ってみる。そのくらいの余地がある方が、暮らしは圧倒的に楽しいはずです。

ただし、ここで勘違いしてはいけないのは、「余白」と「雑(手抜き)」はまったく違うということ。

  • 窓の位置
  • 天井の高さ
  • 光の入り方
  • 視線の抜け方
  • 外からの見え方

これらは、最初にJじっくりと考えておく必要があります。ここを考えずに「シンプルです」「余白です」と言うのは、ただの手抜きです。

余白のある家は、何もしていない家ではない。見えないところで、かなり考えている家。 だからこそ、「つくり込まないために、徹底的につくり込む」。そんな感覚なのです。

生活感を消すより、生活感が出ても嫌じゃない空間にする

実際の暮らしはもっと普通です。洗濯物もあるし、子どものランドセルも転がっている。郵便物も、買い置きの日用品もあります。生活感は必ず出ます。

それを全部隠そう、消そうと躍起になるよりも、「生活感が出ても嫌じゃない素材や空間」にしておくこと。これが本当に大切です。

私たちの事務所や家でおすすめしている、無垢の床、塗り壁、木の家具、少し低めの落ち着く天井、そして庭との繋がり。こういう本物の素材や設計には、日々の生活感や暮らしの変化を、優しくおおらかに受け止める力があります。

何を足すかより、何を足さずに済ませるか。 ここに、建築予算の差も、住みやすさの差も出ます。

つくり込まない家は、未完成ではありません。 あなたの暮らしが入るための「一番贅沢な余白」を残している家です。 そんなおおらかな家づくりを、目指してみませんか?