子供部屋を考えてみる
間取りのお話を聞きたいです!
そんな相談を受けましたので、ちょっと一つ ヒントをば。
間取りの考え方 子供部屋編です。
通常 当たり前のように「子供部屋」を設けようと思います。
子供に専用の部屋を与えることは、今では『常識』といってもいいくらいですからね。(ほんの4〜50年前には子供部屋っという概念はなかったのですが)
しかし、私たちはその傾向とまったく逆のことを考えています。
極端な意見に感じられるかもしれませんが、
「最初は 子供部屋って ない方がいいんじゃないか」
と思っているんです。
「子供にとって、できるだけ良い環境を与えたい」
というのは、子を持つ親の、ごく自然な思いです。
しかし、それが『良すぎる』環境になってしまったらどうでしょうか?
子供は、自分が努力しなくても欲しいものが手に入ると、物事を安易に考えるようになってしまいがちです。
何かを手に入れるためには、自分で努力しなければならない・・・。
そのことを子供に理解させたいと願うなら、親が環境を『整えすぎる』のはいかがなものかと思うんです。
環境も子育ての大切な要素です。
「子供にとって本当によい環境は何だろうか?」
と自分自身に問いかけながら、住まいづくりを進めていただけたら、と思います。
そして 将来 受験などで子供部屋を作るとしたら どこに作ったらよいかという問題が浮かび上がってきます。
子供部屋の場所について相談を受けたとき、私はこんなことを話しています。
「南側のいい部屋を子供部屋ということを言われる方もおられますが、もし勉強や読書などする場合、南側は・・・・」
日当たりが良いので、温度調整に実はエネルギー(お金)が結構かかったりする。(夏のエアコンなどです)
日当たりが良いので、日中は逆に明るすぎて読書・勉強にには向かない。(図書館などは、南側の窓は避けます)
そもそも 子供は子供部屋では勉強しない。
などなど。
まだまだ 沢山ありますが この辺で・・・・
「山には木が生えていますね。
北側の斜面に生えている木と、南側の斜面に生えている木とでは、その強さに違いがあるといわれています。
さて、どちらが強いとお思いでしょうか?」
一見、太陽の光に恵まれた南側のほうが丈夫に育っているように思えます。
しかし、正解は「北側」なんです。
木は、与えられた自然環境の中で成長しなければならない。
何があろうとそこに立っていなければならない。
そんな条件を受け入れてこそ、強い木に育つんです。
私は、その論理は人間にも当てはまると思います。
なぜなら、人間だって自然の一部だからです。
条件が厳しいほうが、芯の強い、生命力のある、根気強い人間に育つとは思いませんか?