本当に?「ヒートショックさえ防げば安心」

こんにちは。いえのたね(ベストハウスネクスト)の吉本です。

「ヒートショックによる浴槽内の死亡者は、交通事故死よりも多い」

家づくりを検討されている方なら、一度はこのフレーズを耳にしたことがあるのではないでしょうか。寒い脱衣室と熱い浴槽の温度差が心臓に負担をかける。だから「断熱をしましょう」という文脈でよく語られます。

しかし、この「ヒートショック一辺倒」の注意喚起には、また違う面もあることご存じでしたか?
今日は、データから読み解く「入浴中の本当のリスク」についてお話しします。

驚くべき事実:原因の8割は「熱中症」?

私たちは「急激な温度差(ヒートショック)」こそが最大の敵だと思い込んできましたが、近年の調査では意外な結果が示されています。

入浴中の事故・体調不良のうち、ヒートショックが原因とされるものは約7%。
対して、約84%という圧倒的な割合を占めていたのは「入浴熱中症」だったという報告があります。

また別の研究では、救急搬送された方の多くが、血圧の低下よりもむしろ「38度以上の高体温」状態にあったことも指摘されています。
つまり、寒暖差だけでなく、「お湯に浸かりすぎて体温が上がりすぎる(のぼせ・意識障害)」ことが、重大な事故の引き金になっている場合もあるのです。

なぜ「熱中症」が起きるのか? 家との関係

ここで考えなければならないのは、「なぜ、長く熱いお湯に浸かってしまうのか」という点です。

  • 家全体が寒い: 脱衣室や洗い場が寒いと、震えながら浴槽に飛び込みます。
  • 芯まで冷えている: 身体が冷え切っているため、かなり熱いお湯でないと満足できず、気づかぬうちに体温が上昇しすぎてしまう。

つまり、入浴熱中症もまた、「住宅の熱環境」と密接に関係している場合もあります。

家全体が安定して暖かい(断熱等級6以上、C値1以下)状態であれば、熱すぎるお湯に頼る必要がなくなり、結果として熱中症のリスクも抑えることが出来そうです。
ただ熱いお湯が好き!BY木村拓哉さん などはまた別の話。。。

「誰かが言っていた」でなくって。。

一番お伝えしたいのは、「世間で言われていることを鵜呑みにせず、自分で調べる」ことの大切さです。

「ヒートショックが危ないから、この設備を入れましょう」というセールストークは簡単です。
しかし、住む人の生命を預かる私たちは、厚労省の報告書や最新の医学的知見に基づき、「本当のリスクは何で、それを防ぐために住宅はどうあるべきか」を常にアップデートし続けなければなりません。

  • 血圧変動(ヒートショック)
  • 体温上昇(入浴熱中症)
  • 無症候性心筋虚血

これら複数の要因を見据え、科学的な根拠(数値)に基づいて検討していきたいものですね。

健康を守る「箱」=「家」

家づくりは、健康を維持し、安心安全に暮らすための「基盤」づくりです。
「断熱」も大切ですが、「どんなリスクを、どう数値で消していくか」。
滋賀の気候を、安全に、そして健やかに過ごすために。

私たちは、常に知識のアップデートを重ねて、皆さんの住まいづくりに向き合っていければと思います。