木造でも「5mの開口窓」は実現できます。


「木造の家だと大きな窓が取れないんじゃないか?」――こう思われるお客様は少なくありません。テレビCMなどで、軽量鉄骨やプレハブ系ハウスメーカーの大開口の窓が紹介されている影響もあって、「5 m級の開口=鉄骨じゃないと難しい」という誤解が生まってしまっています。

しかし、実は木造住宅でも 5 mほどの開口幅 を確保することは十分に可能です。


1. なぜ「木造=大開口不可」というイメージが生まれたのでしょうか

  • 鉄骨系・プレハブ系メーカーが「大開口」「ワイドスパン」をアピールすることが多い → 開口の自由度が高い構法という印象。
  • 一方で、木造で大スパンを確保するとなると「梁や柱が太くなる」「耐震・耐風・変形を考慮する構造計算が必要」といったハードル感が想起されがち。
  • でも実は、現在では木造住宅でも 構造計算(許容応力度計算など)をきちんと行うことで、大開口・ワイドスパンを安全に実現できます。例えば、窓を大きく取る場合は、構造用集成材・LVL(直交集成材)・鉄骨補強梁(ハイブリッド木造)などの技術が選択肢としてあります。

2. 木造で5 m開口を実現するための設計ポイント

・構造面の工夫

  • 梁せい(梁の高さ)を充分に確保し、スパンを飛ばすための設計と耐力計算を実施。
  • 開口上部の荷重を分散させるため、屋根・天井・構造体を連続で検討し、地震・風荷重・積雪荷重(滋賀県・山麓地帯)などに対応。
  • 開口部の下端・上端・左右の柱・耐力壁配置を設計段階で明確化。壁・柱バランスを崩さないことが重要です。

・断熱・気密・性能面の工夫

  • 窓幅が大きくなると「ガラス面=熱の出入りが多くなりやすい」という弱点があります。
  • そのため、ガラスは「高性能複層ガラス(Low-Eガラス)」「断熱性能の高いサッシ」「遮熱性能・日射制御(庇・深い軒)付き」が推奨されます。
  • また、開口を大きく取る場合は「外部とのつながり(ウッドデッキ・テラス)」「軒・庇による日射遮蔽」「周囲の視線・景観・風の通り道」なども設計上重要です。

・設計・デザインのメリット

  • 開口幅5 m級の窓は、庭や山・海・緑との視線のつながりをつくり、リビングを外部と一体化させることで「広さ」と「開放感」を演出できます。
  • 木造ならではの「梁見せ天井」「無垢材仕上げ」「ウッドデッキ・縁側的空間」などと組み合わせることで、自然素材を感じながら大きな開口を楽しめる家づくりが可能です。
  • 平屋設計であれば、階段や2階動線を考慮する必要も少なく、生活の動線・バリアフリー・将来の老後対応も見据えた設計がしやすくなります。

3. 施工・実例紹介

実例として、木造住宅で幅5 m級の開口を実現した事例が報告されています。例えば、ある設計では「幅5m×高さ2mの大開口窓」を設け、庭との一体感を実現しています。

弊社でも例えば、平屋のリビング南面に5 m幅の掃き出し窓を設け、ウッドデッキと床の高さを揃えることで、内外の一体感を強めた設計を手掛けています。光・風・自然景観を家の内部に取り込むことで、「木の家でもここまでできる」ということをご体感いただいています。


4. よくあるご質問(FAQ形式)

Q1:5 mの開口にすると寒くなったりしないの?
→ 確かに「大きな窓=熱が逃げやすい」という認識がありますが、高性能ガラスや断熱サッシ、適切な設計・庇・軒を組み合わせることで、快適な室内環境が維持できます。

Q2:構造的に不安はないの?木造だと耐震性で劣るんじゃない?
→ 構造計算をきちんと行えば、木造でも十分な耐震性能を確保できます。梁・柱・耐力壁・補強金物の配置を設計段階で慎重に検討することがポイントです。

Q3:予算が鉄骨系より高くなりませんか?
→ 素材・仕様・開口部の構造強化などにより、仕様次第ではコストアップの可能性があります。ただ「木造+大開口」という仕様自体が特殊という訳ではなく、設計・仕様を工夫すれば施主ご希望の仕様内で実現可能です。平屋ならではの動線簡略化や階段・2階躯体不要というメリットも活かせます。


まとめ

木造住宅だから大きな開口をあきらめる…そんな時代はもう終わっています。構造・断熱・設計の視点をきちんと押さえれば、木の家でも 幅5 m級の大開口窓 を安全に美しく取り入れることができます。

もし「木造でも大開口を実現したい」「平屋でリビングを庭とつなげたい」とお考えなら、ぜひ一度ご相談ください。弊社の経験・技術で、開放感あふれる住まいをご一緒に実現いたします。

家づくりを天職に、この業界に入って30年以上たちました。

滋賀県栗東市六地蔵に築50年以上の民家を性能向上リノベ・ショールーム開設!

松尾設計室監修 床下と小屋裏エアコンを施工。C値は0.1以下を達成。

過去に担当した住まいが知事賞や建築士会長賞を受賞。

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