建売と注文住宅、その「境界線」にあるもの。〜土地(自然)への感謝と住まいのこと〜
こんにちは。いえのたね(ベストハウスネクスト)の吉本です。
先日、弊社スタッフさんから一通のメールが届きました。
「隣で建売住宅が建っていくのを見ていて、なんだか寂しくなりました。
土地に思いを馳せることなく、上棟式もせずに進んでいく。建物や土地が大事にされていない気がして……。」
スタッフさんの「土地や建物を慈しむ心」はとても尊いものですね。
いい感性を持っておられます。
今日は、建売住宅と注文住宅の違い、そして「地鎮祭」などの儀式に込められた意味について感じたこと書いてみますね。
地鎮祭とは? しないと「まずい」のか?
「地鎮祭(じちんさい)」は、工事を始める前にその土地の氏神様を祀り、土地にある自然 草木や土を利用させてもらう許しを得て、工事の安全と家の繁栄を祈る儀式です。
「しないと何か悪いことが起きるのか?」
そう聞かれれば、論理的な回答としては「宗教的な儀式ですので、しなかったからといって物理的に建物が傾くわけではありません」となります。
事実、今の建売住宅ではコスト削減や工期短縮のために省略されることがほとんどです。
ちなみに私たちも建売を建てることがありますが地鎮祭は、一つの区切りとしてお願いしております。
参考費用は3.5万円。
私はチェーンソーを手に山に入り、木を伐り倒すこともあります。
命ある木をいただく時、杣人さんたちはお神酒を用意し感謝を捧げます。
土地も同じですよね。
これから数十年、家族の生命を守ってもらう場所に対し、「これからよろしくお願いします」と挨拶をする。
その心の余裕が、丁寧な仕事(施工)日本文化に繋がるのだと信じています。
「建売」と「注文住宅」の決定的な違い
建売住宅: あらかじめ「幸せな暮らしの器」を用意しておく仕事。
注文住宅: お客様と一緒に「理想の器」を作り上げていく仕事
建売と注文はこんな振り分けもできそうです。
地鎮祭や上棟式をしないことが「悪」ではありません。
ただ、土地という自然の一部を借り、木という命を使い、家族が一生を過ごす場所を造る。
そのプロセスにおいて、「感謝と敬意」が欠けてしまうことへの寂しさを、私たちは忘れてはならないと思うのです。
「いえのたね」が、土地選びから施工まで一貫してサポートし、時には古民家再生で歴史を継承しようとするのは、そこに「物語」があるから。
効率だけでは測れない、土地や建物への愛情。 私たちはこれからも、数値に裏打ちされた「安心」と、心を尽くした「儀式」の両方を大切に、滋賀の地に根ざした住まいづくりが出来たらいいなぁと思うのであります。

