滋賀の家づくり、浸水対策 〜2013年の教訓から学ぶ〜
こんにちは。いえのたね(ベストハウスネクスト)の吉本です。
新築をご検討中のお客様から「水害への備え」についてお問合せをいただきました。
競合するハウスメーカーさんでは「エアコンの室外機を高く設置する等」の提案をされているそうです。
確かに、高価な機械を守ることは大切ですよね。
もう一つ踏み込んで、滋賀県での家づくりですから過去の事例を交えて考察してみようと思います。
今日は、私たちの地元・滋賀で実際に起きた被害を振り返りながら、検討する必要な対策についてお話しします。
滋賀県を襲った「2013年 台風18号」
皆さんは、2013年(平成25年)の台風18号を覚えていますか?
滋賀県内では記録的な豪雨により、各地で河川の氾濫や内水氾濫が発生しました。
県全体で2,000棟を超える浸水被害が出た、忘れてはならない災害です。
この栗東でも川が氾濫し山崩れで死者も出たりして、滋賀県に初めて「大雨特別警報」が発表された歴史的な豪雨でした。
この時、浸水被害で多くの家で起きたのが「家庭内電気配線のダメージ」でした。
たとえば床付近にあるコンセントに泥水が入り込み、ショート。
すると、家全体の主幹ブレーカーが落ち、2階が全く無事であっても家中の電気が一切使えなくなってしまったり。
さらに厄介なのは水が引いた後です。
コンセントや壁の中の配線の隙間に細かい泥が入り込むと、乾燥しても「漏電」が止まりません。
結局、壁を剥がして配線をやり直すという、多額の復旧費用と時間がかかる事態が続出しました。
「機械」を守るか、「暮らし」を守るか
「室外機を高くする」のは、あくまで「機械」を守るための対策です。
しかし、私たち「いえのたね」として相談があったときの対策としては、、、万が一の際にも家族が2階で生活を続けられる「避難生活の質」を守る対策かなと思います。
具体的には、以下のような設計を標準的に考えています。
- 電気系統の「上下分離」: 1階のコンセントが浸水してショートしても、2階の照明やコンセント、トイレの電源だけは生き続けるように回路を完全に分けます。
- コンセントの位置を上げる: ハザードマップの浸水予測に基づき、1階のコンセント高を通常より上げることで、物理的に水から遠ざけます。
- 排水の「逆流防止弁」: 浸水被害で最も辛いのは、実はトイレや風呂からの汚水の逆流です。これを防ぐ弁を設置し、衛生環境を守ります。
- 「基礎一体打ち」:基礎の底面と立ち上がりを一度に流し込むことで、継ぎ目からの浸水を物理的に遮断。
「0.5mの想定」をどう読み解くか
ハザードマップで「0.5m以下の浸水想定」とされている地域は、実は一番判断が難しい場所です。
「床上か、床下か」の境界線だからです。
私たちは滋賀県が出している「地先の安全度マップ」を使い、過去の浸水実績と照らし合わせます。
「この土地は過去にここまで水が来た記録があるから、基礎をあと10cm高くして、電気回路をこう分けよう」
そんな根拠のある積み重ねこそが、本当の安心に繋がると信じています。
機械を守るだけの対策で満足せず、「もし水が来ても、この家で家族と一晩過ごせるか?」という視点で、家づくりを考えてみるのも一考ですね。
参考に2013年の被害を改めて調べてみました。
結論からいいますとハザードマップで想定されている降雨量は109㎜/時間が降った時の実例です
実際はどうかというと、栗東で被害が出た時は40㎜/時間が続いたときの被害でした。
シュミレーションは109㎜ですから あの時の降雨量よりも2倍以上の雨 という感じになります。
こんなことも検討しながら、費用対効果も含めてご家族とプロと交えてご相談していければいいですね。

